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2017年06月26日

お位牌のご相談

この間、埼玉から若いご夫婦がいらっしゃいました。

10ヶ月で亡くなった赤ちゃんのお位牌のご相談にみえたのでした。




ママが描いたデザイン画を元に、私が作った試作品や失敗作などをご覧いただきながら、ご相談させていただきました。




素人の方には簡単に思える表現も、1300度のグニャグニャのガラスの動きや、色による癖などで大変困難な注文だという場合もあります。

お位牌本体の形状による注意点もあります。

そんなふうにかなり専門的な話までご説明して、完成イメージを共有するところまで持っていきます。

これを、電話やメールでやり取りすることもありますが、直接見ていただいたり、ここがこうなってるから、、、という指差しもできないので、説明に何時間も、メールだったら何通もかかってしまいます。

お位牌をご検討されている方は、今回のママがお持ちくださったようなデザイン画を見せてくださると話が早いです。

色の指示、参考にしてほしい過去作品がある場合はリンク、お位牌のサイズ、文字のレイアウト、納期。

以上を決めて、お問い合わせください。


イメージがモヤモヤしたままの方は、ぜひ工房までお越しください。
具体的なイメージが持てると思います。


さて、1時間みっちり話し合って、お位牌のデザインが決まりました。

ママが別れ際に

「今から岡山まで行くんです!
お骨も一緒に、、、

10ヶ月間、ずっと病院だったので、、、」

ああ、生まれた時から問題があったのですね?

「520gで生まれたんです。
いろんな臓器がまだ未熟で、女の子だって言われていたのに、途中から停留睾丸だって言われて、男の子だとわかって。
骨も曲がってしまったり、腸がうまく機能しなくて何度も手術して、、、

でも体重じゃないんですよね、290gの子がちゃんと育ってたんです。」

ちょっと悔しそうにおっしゃったので、

けれど育っても一生障害がある身体だったとしたら辛いですよね。
いや、親だったらどんな身体だとしても、生きていてほしいとも願いますね、、、難しいですね。

と話したら、

「私でも、できる限りの事は全部したので、スッキリしているというか、、、
周りの人が心配するほど、悲しくないというか、、、」

そう言って微笑んだ彼女の顔が、本当にキリッとしていて、それが真実だとわかりました。

最初で最後の家族旅行、楽しんで欲しいなと思いながら見送りました 。
  


2017年04月15日

2度目のお位牌制作

先日、大阪から御夫婦がお越しになりました。

1月に亡くなった赤ちゃんのお位牌を、直接引取りに見えたのです。

重度の障害を持って生まれ、生後1ヶ月という短い生涯を終えた息子さん。

高さ7センチで、透明の卵に白い羽根を、、、

というご希望でした。




渋滞で遅れてみえたので、私はすでに仕事かかっていて、ゆっくりお話することもできず、用意しておいた箱の中から取り出して見ていただきました。

恐る恐る手に取ったママは、にっこり微笑んで

『可愛い、、、 』

と、何度も言ったのでした。


実は、お二人は昨年もFAROへお越しになっています。

お兄ちゃんがいたのです。

やはり重い障害のせいで、1歳で亡くなってしまったのです。

その時、FAROのお位牌のページを見てお電話くださったのです。




文字を彫る前の画像です。


子どもを虐待したり、殺したり、、、というニュースが、毎日のように流れています。
そんなひどい親が子どもを持てるのに、どうして心から子どもを欲しいと願う2人に、こんなにも辛い別れが繰り返されるのでしょう?

その不条理に憤慨することぐらいしか、私にはできません。

ただ、パパとママの希望通りのデザインで、可能な限り美しく可愛く形作ることだけです。


1センチ背の高いお兄ちゃんと、小さい弟の天使の卵。

今頃、パパとママと一緒の部屋で微笑んでいることでしょう。
  


2015年06月05日

七色の赤ちゃんのお位牌

4月の中頃、メールが届きました。


『2月末に妊娠6ヶ月で娘を死産しました。
娘は身体全体がむくむ病気で、医師からこのまま生き続けることは
できないと診断されました。
初めての子でとても楽しみにしていたのですが、
残念ながら死産という結果になってしまいました。

先日の四十九日、主人の実家のお墓に納骨をしました。
今までは娘が亡くなってもお骨がありましたが、
そのお骨も傍から離れ、すごく寂しい気持ちです。

そこでFAROさんに作っていただく心のこもったお位牌があれば、
娘も喜ぶと思いますし、私たち夫婦の気持ちも
穏やかになっていく気がしています。』

と、、、

七夕が出産予定日だったそうです。
だから、七という字のつくお名前を赤ちゃんにつけたそうで、
7色の虹のお位牌を希望されていました。

ところがすでにこの時、私達はとんでもなく忙しい状況で、
新たにお位牌を作る時間はなかったので、在庫から選んでいただく
ことも御提案しましたが、たっての希望で新たに制作することに、、、

2つ作ったのですが、色が濃すぎて自分としては納得できず、
翌日更に2つ制作して、合計4つの中から選んでいただきました。




お選びいただいたのは、こちら。




羽根や身長体重など、どうしようかと悩まれていましたが、
シンプルなお位牌にされました。

展覧会終了まで、待っていただき、終了後に彫刻する
文字のレイアウトなどのすり合わせをいたしました。




1カ月半かかって、ようやく昨日お届けできました。

直後に温かなメールいただきました。
お位牌が、パパとママの気持ちを少しでも慰める存在であってほしいです。


『先ほど五木田さまが丁寧に作ってくださった心のこもった
お位牌とお手紙が届きました。
ありがとうございます。
涙が止まりません。

七夕に産まれるはずだった娘らしく、
七色の虹色がキラキラして、すごく綺麗です。

今日は七夏が産まれて100日目、百か日なんです。
まだまだ心の傷が癒えない私たちに、七夏が
『お父さん、お母さん、わたしはお空で楽しくやってるよ、
大丈夫だよ、だから元気になってね』って言ってくれているようです。

七夏はいつまでも私たちの大切な長女なので、
五木田さまにつくっていただいたお位牌もずっとずっと大切にします。

本当にありがとうございました。』
  


2015年03月31日

忙しい、、、( ̄(工) ̄)

なんかさ、毎晩のように夜なべして、いろんな仕事してるわたし、、、( ̄(工) ̄)

今日は原料投入したから、夜中まで煮上げていなくてはならない。
月に照らされて、夜桜が綺麗な夜です。

今月はマジ忙しい。
通販が一番振り回されたけど、ブームは去った感あり。(笑)
もう、バカみたいに注文入らなくなった。
きっと、ギフトで贈りたい方が多かったんだね?

で、何が忙しいかと言えば、、、

西伊豆町の赤ちゃんのガラス手形の制作
ガラス作家の会の事業報告書作成
取引先の棚卸
赤ちゃんのお位牌の制作3件
その、お位牌に彫る文字のデータ制作
ふるさと納税のお礼の品にした、ウミウシ宝石箱に
まさかの注文が入り、箱作るのに4時間半かかったり、、、T^T
5月の元町の企画展のDM制作は、写真撮りに2日、
データ制作に3日かかったじょ。( ̄(工) ̄)
かも風鈴デザインコンテストの、入賞作品の制作は、
何個も作って失敗して、、、と、これも何日もかかった。

これらのほかに、イベントやったり、通常の作品制作や、
事務仕事や銀行行ったりしてたら、
あれ?春休み突入〜((((;゚Д゚)))))))

息子たちの「ハラヘッタ」攻撃に辟易、、、
そして、吹きガラス体験のお客様も増えて、、、

もーーーーーーー!私は毎日秒刻みで動いてる感じでした。

そして今は、元気に育って生まれてこれなかった赤ちゃんの
手形足型を、Photoshopで修正中。
足のサイズは2.5センチ。

「上手く取れてない手型を可愛く直して、お位牌に彫って欲しい、、、」

というママのため、手描きでトレースしたりあれこれ試したのですが、
結局スキャンして画像修正がベストだと、、、




何とか今できたけど、2時間以上かかったね、、、( ̄(工) ̄)

さて、ガラスの様子を見に行きましょうかね?

夜中のつぶやきでした〜ヽ( ̄д ̄;)ノ

  


2015年01月06日

「ハートモチーフの仏具セット」その2


『昨年1月中旬に最愛の妻を病気で亡くしました。
1つ年下で享年38歳でした。 
当時実感がわかず骨壷をそのまま自宅におき供養しておりました。
これまで仏具がシンプルなもので間に合わせていましたが、
こんごも自宅での供養を続けたく彼女の趣味に合った仏具を
探しておりましたところ淳子さんの仏具を発見いたしました。

妻への最後のプレゼントのつもりで、淳子さんの仏具を
手に入れられたらと考えております。

残された5歳の息子と、ママに似合う素敵な仏具で供養できれば
母の愛を思いだせるのではないかと思います。

宜しくお願いします。』

こんなメールが昨年12月舞い込みました。
数ヶ月ぶりに仕事を再開する直前で、私の手がなまっていることと、
ご希望の過去作品が、とても苦労した記憶があったので、
承るのをどうしようかと、躊躇しておりました。

けれど文面からは、この仏具で新たな1歩を踏み出すことを
決意されるような印象を受けたので、何とか製作して
差し上げたいと思いました。

何が大変かといえば、香炉をハートの形にするのと、
ドンピシャに羽根を正面に、違和感なく付けることでした。

前回製作した時は、ハートは歪み、羽根はずれて散々。
途中で羽根のあたりから割れてきてしまって、、、と
何度も作り直しました。

羽根が無ければ、助かるんですが、、、

と、ボヤいてみたのですが、やはりこの羽根が一番の
決めてだったようで、どうしてもつけて欲しいと
返事がありました。

意を決して、製作することに決めました。

香炉を作るのに、本当に細心の注意を払って、ひとつひとつの
作業工程を落ち着いて、頭でシュミレーションしながら、
本当にじっくり落ち着いて製作しました。

最後に付ける羽根で、できが決まります。

ドキドキしながら、主人が持ってくるドロドロのガラスを付け、
ハサミで切り、潰し、切って、伸ばし、、、と仕上げました。



時間はかかりましたが、壊れることなく、失敗することもなく、
無事に綺麗にできて、ホッとしました。

年末にお届けすることができました。

昨日、メールが届きました。

『商品が到着し、拝見させて頂きました。
素晴らしい出来と可愛さで感動しました。
時間をかけて丁寧に作って頂いたのだなと実感していますし、
その気持ちは亡くなった妻にも伝わっています。
正直眺めてる間に涙がでました。

誠に有難うございます。』

このメッセージだけで、私は泣きそうなぐらい嬉しい気持ちで
いっぱいになったのですが、添付されたお写真が実に美しくて、、、




まるで奥様がそこにいらっしゃるかのようで感動を覚えました。

いえ、確かにそこにいらっしゃって、遺されたお二人を
この光のように暖かく見守っているのだと、強く感じます。

奥に置かれた骨壷も、似た色のガラスのようで、とっても素敵です。

間もなく2回目の命日がやってくるでしょう。
どうかお二人が歩まれる未来が、明るいものであって欲しいと
心から願います。

大切な仏具を任せてくださいまして、誠にありがとうございました。