ヤギーズも天国へ旅立ちました

FARO

2016年02月15日 22:07

今日、秋ちゃんと時ちゃんが仲良く天国へ旅立ちました。




昨日の朝、脱走していた時ちゃんが、かじったらしい
玄関先に置いておいた大根の歯型を見て、今朝私は

バカだなぁ、、、

って笑って写真に収めていました。

ここで生まれた時ちゃんでした。

http://www.f-faro.com/YAGI.html

天真爛漫で、いつもニコニコ、可愛いオスでした。
お母さんの秋ちゃんは、主人のことが大好き。
いつもそばを離れませんでした。



2007年にやってきて、一ヶ月後に時ちゃんがいきなり
生まれてから、毎日テンヤワンヤ、これが日常になりました。
あれから8年。

こんなに突然、一度に2頭ともお別れとは。


最近、管理を任されているミカン畑が、日当たりが良く、
草も生えていることに気づいた主人が、1週間ほど前から
そこへヤギーズを連れて行くようになりました。

周りは獣除けに柵が張り巡らされていて、これなら
逃げないし、犬にも噛まれないと。

ヤギーズもお気に入りで、ここ数日は自ら喜んで
行くようになっていました。

それなのに、、、



この中にいて、猟犬に噛み殺されるなんて!


(そろそろお昼作らないとな、、、)

と思っていたとき、工房の入り口にハンターの男性が。

「あそこのミカン畑に、ヤギを放しているのはこちらですか?」

私は、手が震えてきました。

「実は犬が、おたくのヤギを噛んで、一頭はもうダメで、
もう一頭はどうか、、、」

って聞くや否や私は主人に叫んでいました。

(一頭はもうダメ、、、
一頭はもうダメ、、、)

家の鍵も車の鍵も、手が震えて入りません。

急いで500メートルほど離れたミカン畑へ行くと、
そこには何人もの猟友会の人たちが。

柵の中で、主人は横たわった時ちゃんを抱きしめて

「この中なら、大丈夫だって思ったのに!」

と、呼びに来た男性に叫んでいました。

私は秋ちゃんを探しました。

秋ちゃんは血まみれで座って、荒い呼吸をしていました

後で名簿をもらってわかったのですが、呼びに来た男性は
清水町の人で、このチームの会長でした。

みんな清水町や函南町、遠くは静岡市からのハンターで、
地元の人ではありませんでした。

彼らの猟犬は、山側のどこからかミカン畑に入り、
秋ちゃん達を噛んだそうです。


「今、獣医さんに電話したんですけど、月曜はどこも
休みで、、、」

って言われたけど、ヤギは犬猫病院ではダメなんです!
って、急ぎ家畜病院まで1時間以上かけて秋ちゃんを
連れて行きました。

可愛そうな時ちゃんは、ブルーシートに包まれて、
庭に置き去りにするしかありませんでした。

秋ちゃんは、ハンターが貸してくれた、仕留めた獲物を
入れるトロ箱に乗ったまま。

家畜病院では、駐車場で野戦病院並みの手当てしか
できないけど、と、忙しい診療の合間に、穴だらけの
秋ちゃんを縫ってもらい、抗生物質の注射をもらい、
再び家へ向かいました。

5年前にも、やられたのです。

http://fglass.i-ra.jp/e896526.html

でも、秋ちゃんは復活しました。
強い子です。
きっと持ち直してくれるはず!

背後で痙攣している秋ちゃんに、声をかけながら、
途中で様子をみようと停車したところで、秋ちゃんは
こと切れました。

私たちは叫んで呼び戻したり、主人は口から人工呼吸
したけど、目の光がどんどん暗くなるのがわかりました。

そこから一切言葉を交わさずに帰りました。

近所に寄り小屋がある猟友会の人たちが、様子を見に
来たので、秋ちゃんも死んでしまったことを伝え、
この大きな彼らを埋葬するのを手伝って欲しいと
頼みました。

会長が、地主に掛け合って、彼らの小屋のそばの山に
埋めてくれるということになりました。

穴を掘ってもらっている間、子供たちが帰宅して
血まみれのヤギ達を前に、オイオイ泣いてる父親を見て、
次男もポロポロ涙を流していました。

私は、白い身体を染めている固まった血を拭きました。
主人は彼らが喜んだブラッシング。
お線香を焚いて、その時を待っていました。

空が、ものすごいオレンジ色に染まってきた頃、
ヤギーズに迎えが来ました。

私たちも一緒に。

山の奥、暗くなる中、ハンター達に運ばれて、
穴に並べられました。



親子一緒なら寂しくないでしょうか?



主人が最初に土をかけました。
顔の周りにそっと、、、



後は、ハンターの皆さんがあっという間に埋めました。



出てきた手頃な石に、名前を書くと言って名前を聞かれたので、
秋と時です。と知らせると、

「アキ トキ」

と、カタカナで書いてくれ、載せてくれました。




お線香も用意してくれて、みんなでお焼香しました。

1人のハンターが、

「アキちゃんトキちゃん、ごめんなさい。
安らかに眠ってください。」

と言ってくれ、皆で手を合わせました。

もうそれで良い気がしました

主人は、

「お世話かけました、、、」

と、丁寧に礼を言っていました。

「別のヤギを、探したほうが良ければ探してきます。」

って、言われたけど、私たちは、別のヤギなんかいりません。

アキちゃんトキちゃんじゃなくて、秋ちゃんと時ちゃんに
会いたいのです。


「とりあえず、今日かかったお金だけ、、、」

と、治療費と、バイパスの往復の交通費をくれました。

「は、じゃ、10800円。
すいませんね、、、」

と、会計のおじさんにお金をもらった瞬間、
自分が急に愚かに思えました。

こんな金、もらったってしょうがないじゃないか!

夕方、地元の猟友会の会長の息子であるビロちゃんが、
怒りながら心配してきてくれました。

最後に

「今日、猟の最後の日だったんだよ。」

そう聞いたら、私は涙がドッと溢れてしまいました。

主人もそれを聞いて、とうとう声をあげて泣きました。

(自分が連れて行かなかったら、、、)

と、何度も何度も

「お父ちゃんが悪かった」

と、最後まで2頭の耳元で謝っていたのでした。


つい数日前まで、ヤギと鳥と猫で、いっぱいだったのに。
今日からは、工場長だけです。


8年間、2頭を愛してくださって、本当にありがとうございました。


フェイスブックのヤギーズ

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