あれから1ヶ月経ちました

FARO

2016年03月20日 23:40



15日の日。
ヤギーズがあっという間にこの世から消えた日から1ヶ月。
私はあれから初めてお墓に行きました。
牧草とお花とお線香を手向けました。
主人は行かないといいました。
だから一人で行きました。



静かな山の中です。
そばに、たくさんの犬小屋が点在していて、奥に猟友会の番小屋が
あります。

手を合わせたけど、足元に彼らがいるのはわかっているけど、
ここには居る気がしませんでした。


事故当日から、本当にたくさんのヤギーズへのお悔やみの言葉、
ありがとうございました。
こんなにも多くの方々が、ヤギーズを愛してくれたのだと
知って、嬉しく有難く思いました。

ヤギーズが亡くなってすぐ、岐阜の心の妹シモから、
思いがけずお悔やみの花が二つ届きました。

いつも笑顔の宅急便の方が、不幸があったのだろうかと、
ものすごい神妙な顔で、持ってこられました。




すぐに、ヤギ小屋へ飾りました。

カネジョウさんも、剪定した珍しい桜の枝と一緒に
干物を持ってきてくれました。
私は食事を作る気力がない時期だったので、本当に
助かりました。

cocoちゃんのパパとママも、大きなアレンジメントを
送ってくださいました。



すごいことなんですけど、このアレンジメントと、
シモからの花輪。
まだ咲き続けているんですよ。

あびさんからは果物。
横浜画廊さんからはお菓子が届きました。

多くの方々が、まるで人間へのお悔やみのような対応で
涙しながら怒りながら、励ましてくれました。

主人のバイト先の方も、Facebookで読んで泣いてくださって、
他の職員さんにも記事を勧めてくださって、傷ついた主人を
労ってくださいました。

「バイトに行ったら、みんなが話しかけてきてくれたんだけど?」

って、不思議がっていました。

職員の皆さんが通る道の横がヤギ小屋です。
主人がどれだけ可愛がっていたか、皆さん毎日見ていました。
犬や猫を飼っていらっしゃる方が多く、自分のことのように
悲しんでくださいました。

私の友人や知人も、、、、

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

近所のウォーキングの方も、何人か

「ヤギ、殺されちゃったんだってね!
いつも人懐っこくてさ、楽しみに歩いてたのに、
いなくなって寂しい、、、。」

「この河川敷も草食べてくれて、俺らは草刈りしなくてよくてさ、
助かってたのにな、、、
可哀想なことだったね。
本当に辛いね。腹がたつよね!」

と、本気で怒ってくれて、ある方は

「(補償)どうなった?」

と気にかけてくれます。

補償、、、

一昨日、猟友会の会長が来られて、10万円を置いていきました。
ヤギーズとの8年間は金では補えないし、悔しさでいっぱいですが、
苦しみをもう終わりにしたいと思い、受け取りました。
あの人たちに何を言ったって、この苦しみはわかってもらえない
でしょうから。



訴訟は起こさない

この文書にハンを押せと言われた主人の気持ちを想うと
切ないです。

猟犬が悪い
ハンターが悪い

そんなこと、一言も言ってないのに、、、
訴えたりなんかしないのに、、、

ただ、秋ちゃんと時ちゃんが、無駄死にしたってことに
してほしくない。
二度と同じ事故は起こさないって、約束してほしい
それだけ、、、


ヤギーズが突然いなくなってから、私は毎晩夜中の発作のような
腹痛に七転八倒して、眠れなくなりました。

毎日、ヤギーズのウンチ拾いで時間が無い!と文句言ってた主人は、
もうすることが無くなって、翌日から放心状態でした。
お互い気づくと泣いてばかり。

玄関から外へ出ると、一番最初に目に入るのは
ヤギーズの小屋なので、毎回悔しくて涙が出ました。

ところが数日後、ふと小屋の向こうへ白いものが動くのを
確かに見ました。
時ちゃんのように見えて涙が出ました。
それからも時々見たので、主人に話してみました。

「、、、俺はいつも見てる、、、」

そう絞り出すように言って、外の方を向いてしまいました。

ヤギーズは、あの山の中ではなく、私たちのそばで
変わりなく駆け回っているのだとわかった瞬間でした。
嬉しかったです。

実は事故から1週間後、猟友会の会長と、もう一人が来て、
補償についてどうしたいか?と聞いてきました。

またヤギを飼いたいなら、探してくると、、、

私は、納得いきませんでした。

「再発防止策について伺いたいです。」

と聞いてみました。

すると、一緒に来ていたハンターが

「僕らの猟のやり方は、犬を放してやるんだから、
もう起こらないとは断言できないです。」

と、、、

会長が「私たちは、40年ここでやらせてもらってるけど、
こんな事故は一度もなかった。
あそこにヤギがいるなんて知らなかった。」

と、、、、

秋ちゃんは、以前も庭先で猟犬に噛まれて大怪我しました。
この言葉を聞いて、ああ、この人たちのチームの仕業
だったんだなって確信しました。

悔しくなって言ってやりました。
四方を柵で囲ったミカン畑で殺されたんです。

「ヤギを飼っても、また殺されるってことじゃないですか!」

二人は黙って帰っていったのでした。


この間、ふと主人が

「ヤギの寿命って何年くらいだったっけ?」

と聞くので、14年ぐらいって聞いた気がするけどなんで?と
聞いたら

「また、、、ヤギさん、、、飼いたいなぁと思って、、、
今から飼い始めて、俺、生きていられるかな?ってさ。
だって、70歳だぜ。」

うん、、、(ヤギーズとの生活は)楽しかったね!

と、言ったら、主人は「うん、、、」とやっと言って
泣いてしまいました。
私も泣きました。

10万円があります。
でも、お金で動物を買うのは気が進みません。
それに、血まみれになった愛する家族を見るのは、もう嫌です。

一方で、またあの人懐っこい笑顔を見たい。
温かい身体を抱きしめたいって強く思うのです。

私たちが可愛がっていたのではなく、私たちが愛され、
癒されていたのだと、失ってみて初めて知りました。

この間、袖を通したフリースに、白く硬い毛を見つけました。
最期に抱きしめた秋ちゃんの毛だと思い出し、涙が出ました。






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