お位牌のご相談

FARO

2017年06月26日 08:55

この間、埼玉から若いご夫婦がいらっしゃいました。

10ヶ月で亡くなった赤ちゃんのお位牌のご相談にみえたのでした。




ママが描いたデザイン画を元に、私が作った試作品や失敗作などをご覧いただきながら、ご相談させていただきました。




素人の方には簡単に思える表現も、1300度のグニャグニャのガラスの動きや、色による癖などで大変困難な注文だという場合もあります。

お位牌本体の形状による注意点もあります。

そんなふうにかなり専門的な話までご説明して、完成イメージを共有するところまで持っていきます。

これを、電話やメールでやり取りすることもありますが、直接見ていただいたり、ここがこうなってるから、、、という指差しもできないので、説明に何時間も、メールだったら何通もかかってしまいます。

お位牌をご検討されている方は、今回のママがお持ちくださったようなデザイン画を見せてくださると話が早いです。

色の指示、参考にしてほしい過去作品がある場合はリンク、お位牌のサイズ、文字のレイアウト、納期。

以上を決めて、お問い合わせください。


イメージがモヤモヤしたままの方は、ぜひ工房までお越しください。
具体的なイメージが持てると思います。


さて、1時間みっちり話し合って、お位牌のデザインが決まりました。

ママが別れ際に

「今から岡山まで行くんです!
お骨も一緒に、、、

10ヶ月間、ずっと病院だったので、、、」

ああ、生まれた時から問題があったのですね?

「520gで生まれたんです。
いろんな臓器がまだ未熟で、女の子だって言われていたのに、途中から停留睾丸だって言われて、男の子だとわかって。
骨も曲がってしまったり、腸がうまく機能しなくて何度も手術して、、、

でも体重じゃないんですよね、290gの子がちゃんと育ってたんです。」

ちょっと悔しそうにおっしゃったので、

けれど育っても一生障害がある身体だったとしたら辛いですよね。
いや、親だったらどんな身体だとしても、生きていてほしいとも願いますね、、、難しいですね。

と話したら、

「私でも、できる限りの事は全部したので、スッキリしているというか、、、
周りの人が心配するほど、悲しくないというか、、、」

そう言って微笑んだ彼女の顔が、本当にキリッとしていて、それが真実だとわかりました。

最初で最後の家族旅行、楽しんで欲しいなと思いながら見送りました 。

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